オフィスの清潔さと安全に特化した顕微鏡診療のお約束と証

【東京歯科医療安全・感染制御研究会】
医療の質は安全に比例いたします。

【東京歯科脳神経内分泌栄養咬合摂食嚥下口腔リハビリテーション研究会】

こんにちは micro sailingR歯科衛生士naomiです 

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最近、巷では人生100年時代をどう生きるか?とよく言われますね。

私は、人生100年時代を生き抜く上で、一番大切なのは、だと思っています。
健康。。。と言っても良いのですが、なんだか健康という言葉は皆んなが使っていてつまらない。

 体が資本って言いますけど、元気だったら、なんでもできる。年を取っても自立した生活を送る事ができますそして体の中でもとても大切になるのが健康です。

人生100年時代に備えて、若い時から口の環境を良くしておきましょう

さて、歯科衛生士歴も26年を迎えた私。数ヶ月に一度のメインンテナンス(定期チェック)を担当している患者さんも、長い方は15年近くになりました。現在担当している患者数はおよそ300名。

15年も継続して担当していると、なんと20代の方が40代になるんです。30代の方が50代になるんです
この20代と40代の差は大きい。体もそうですけど、20代ってほとんどの方は体に問題ないですよね
でも、40代になると、色々と変化が出てくる。血圧、血糖値、コレステロール、中性脂肪...

明らかに、体が変化してくる。

では、お口はどうなの?

体が年齢とともに変化していくのに、お口だけが変わらずに20歳のままなんてことはないわけです 

口腔って実は、体の外なんですよね。ドーナツを想像して下さい。体は実はドーナツ状で入口が口。消化管を通って、出口がお尻(肛門)となるわけです。

そう、お口は他の臓器と違って、見えるのです。口以外の臓器は、見えないからレントゲンやCT、MRIを取って内部を見える様にするのですよね。もちろん、歯の中は見えないけれど、外から歯を観察する事ができる。それが歯科の特徴です。

異常を早期に発見しやすい。被曝の問題もなく、ただ見えるだけですからね。侵襲がありません。

人生100年時代。ぜひ皆さんには、マイハイジニストを見つけていただいて、お口の変化を素早く見つけてもらいたいものです

さて私がいつも使わせて頂いている、歯科用顕微鏡。これは、今まで見えなかった世界を見える様にしてくれる、とても画期的な医療機器です。

歯科用顕微鏡を用いない場合、歯周ポケット内は見えませんから、ポケット内の歯石をとる場合、盲目的、つまり手探りの作業となります。

この手探りでの歯石除去の時代に出されたのが、以下の論文です。

歯石除去に関する論文1

歯肉縁下歯石(歯周ポケットの中の歯石)の除去は、ポケットが3mm以内ならfairly good(かなり良い)3mmから5mmの場合、成功の確率よりもfailure(失敗)の確率の方が高い5mm以上の場合はfailure dominate(失敗の可能性が高い)。 

*3mm以内はかなり良いが100パーセント確実に除去できるとは言っていない事に注意

歯石除去に関する論文2


また別の論文でも、ポケットの深さが3.73mmを越えると、歯石の取り残しが増えると言われています。

さて、今日のテーマは人生100年時代、親知らずを抜く?抜かない?でしたね
私は断然、若い時に抜くべき派です。歯石が付着する前に。そして親知らずを抜いた後は、必ず親知らず側のポケットとそして、側面に歯石や虫歯がないかどうか確認する事をお勧めします。

患者さんは40代。十数年前に親知らずを抜いたとの事。その後定期的なクリーニングは行っておらず

当院へ初診で来院された時には、ポケット4mmレントゲン上ではっきり見えるほどの大きな歯石が付着していました。

右下7番デンタル写真

 
ピンクの丸の中の歯の根の表面のボコボコしているのが歯石。

右下7番のレントゲン写真歯石あり

矢印の方向からポケットを実際に覗きます。

右下7番のポケット内 歯石あり

さて、先ほど文献でお示しした通り、ポケットが3.73mmを越えると取り残しが多くなり、3mm以上5mmまでのポケットの歯石除去は失敗する確率の方が高いのです。

でも、これは歯科用顕微鏡がない時、使わない盲目的な処置の場合の話です。

歯科用顕微鏡を用いて除去すると...

ただし、見えるからといって、簡単に除去できるわけではありません。

歯周ポケットを覗ける角度

例えば、ポケットの幅が1mmで深さ5mmのポケット底部を見る場合に、歯科用顕微鏡で覗ける範囲は11.3度しかありません。この角度に合わせた上で、器具の選択を行い、除去するのはかなり難しい処置となります。

はっきり申し上げて確実な除去は不可能に等しい。以下は実際の除去をしている動画です。

 

そして最終的にはポケット底部を確認し、確認できる範囲で除去しました。
ただし、確実な除去がされているかと言えば、いくら歯科用顕微鏡があるとは言え、歯肉を押しのけての処置となりますし、最大に拡大しても光量がやや不足していますし、確実な除去とは言い切れません。

しかしながら、おおよそ良い状態に仕上げられたのではないかと思います。 

IMG_3581

先週、新刊の歯周病の書籍を読みました。某有名な先生のものでしたけど。。。
たくさんのエビデンスが書いてありましたが、残念ながら歯周病を治す方法は書いてありませんでした。

歯科衛生士さんは、歯周病の治療がとても難しいとおっしゃいますが、私はいたってシンプルだと思っています。

私がする事は、炎症の原因となるプラークや歯石を確実に取り除く事。それだけです。

そして確実に取り除いた後は、原因となるプラークや歯石が再付着しない様に、口腔衛生指導をする事と定期的なクリーニングをする事、ただそれだけです。

歯周外科の中で、不良肉芽を掻爬するとありますが、私は大反対です。炎症部位を切り取っても、炎症の原因となるそのものを取り除かなければ、歯周病は治りません。

逆に、確実に感染源となるプラークや歯石が除去できれば、炎症は消失し、自然に組織は治癒します。

ここが、他の臓器と違って、硬組織と接する軟組織の病変で、もともとの感染源は組織の外にあり、接触部分から炎症が起こり、しかし歯周外科では軟組織の側に処置がほどこされ、硬組織の感染源が確実に除去できないというジレンマの難しいところです。

長い上皮性の付着を得るためならば、不良肉芽の除去よりも、確実に歯石を除去する事に時間をかけた方が良いです。もし、再付着を得ようと思うならば、軟組織を触る事もありかもしれませんが、現実的に歯周外科をして歯周病が治ったケースを私は見た事がありません。

それよりも確実な歯石の除去で、骨の再生をしたケースを私自身は持っています。

ですから、外科云々ではなくて、まずは確実な歯石の除去を心がけるべきである、そう思います

さて、今週も頑張りましょう。