Wの悲劇...懐かしいと思われる方は年齢がバレてしまいますが...でも、今回のお話は映画のお話ではなく、私の日常に起こったショッキングなWパンチの出来事です。

先日、久しぶりに来た患者さんのお話です。

当院には時々、当院で治療中、もしくは治療後に他の医院を受診して再び戻ってくるという患者さんがいます...そんな患者さんが立て続けにいらっしゃって

そんな方が2人も続いたので、今日はWの悲劇です

最近の傾向としては、この歯のこの治療はA歯科院、この歯の治療はB歯科医院、メインテナンスはC歯科医院と使い訳している方がちらほらいます。

歯科医院のかかりかた


うーむ。。。なんだか時代ですけど。でも私がお勧めする歯科医院のかかり方は、

1医院に決めるです。

治療もメインテンスも責任を持って1つの医院でやってもらう
これが歯を長きにわたって守る秘訣です。保険歯医者さん、自費歯医者さん、関係ありません。

自分が信頼できる医院にずっと通い続けることです。もし途中で信頼を失ったらその時に他に丸ごと転院すればよいのです。いいとこどりの歯科医院のかかり方は一番損をします。

患者さんは、最高の治療をすれば歯が長持ちすると思っているかもしれません。でも、実際は違います。最高の治療をしてもその後のメインテナンスが悪ければ最高の治療も一時のものとなります。
歯は死ぬまで使う臓器です。

すると今後はメインテナンスだけ顕微鏡を使っている私の医院へかかるという方が出てきます。

皆さんに一番理解していただきたいのは、治療の延長線上にメインテナンスがあるということ。

治療とメインテナンスは表裏一体です。
治療からメインテナンスへ、メインテナンスから治療へと一生涯の中で行き来します。

一度治療をしたからと行って、一生虫歯にならない患者さんはいません。今までに治療していない別の歯が虫歯になることもあります。だから、治療とメインテナンスは行き来して当たり前なのです

そもそもメインテナンスの目的は、

治療後の経過を見る ←一番大切。他の医院に行ったら経過は追えません。他で治療した歯はそちらで見てもらってください

全体的な調和を見る ←歯は親知らずを除くと28本の歯があります。全てが噛み合って調和がとれます

1本の歯から不調和が生じることもあります。1本1本違うところで治療していると全体の調和がとれません。全体の調和を見てくれるところがなくなってしまいます。他の医院で治療した歯はそちらでどうぞとなります。全体の噛み合わせの責任は誰も追ってくれません。

となると、最後は噛み合わせ専門にかかればいいのかも
まあ...大体、他で治療したものは、やり直しすることになりますけど。

早期発見 ←虫歯や歯周病を早期に発見しますが、メインテンンスだけ来ている方には伝えにくいです。

他にメインテナンスに行っている患者さんに、例えば虫歯があると伝えたとして、歯科医師によって治療法はまちまちですし、同じ虫歯を同じような視点で見てくれるとは限りません。

顕微鏡で1mmの虫歯を見つけて患者さんに教えても、顕微鏡がない、もしくは顕微鏡が合っても使っていない歯科医院では大きく削られてしまいます。教えるのも迷います

教えることが患者さんにとって良いことがどうかわかりません。

教えますけど...

適切な指導 ←個々にあった歯磨きの仕方は物品の選択を行います。物品を変えるだけで見違えるほど綺麗になることもあります。アプローチにはたくさんの引き出しが必要で、歯科衛生士の力量が問われます。

とにかく、歯科治療は患者さん、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士によるチーム医療なのです。

歯は1本1本を治療することも大切ですが、最終的にはどういう口腔に仕上げるかが大切なのです。

久しぶりに、患者さんから麻酔をしてSRPをするという言葉を聞きました...
歯肉の中の歯石を麻酔をしてとるそうで...麻酔して4分割すれば保険の適応になるそうで

麻酔してSRPって確実に歯肉が下がる。。。
患者さん、可愛いのに〜歯肉下がったらおばちゃんになっちゃうぞよ...

当院のコンセプトは「自分が受けたい治療」だからです。
歯石の除去は歯周病の初期治療といって、歯科衛生士が担当しますが、私は麻酔してやみくもにガリガリ歯石を取りたくない

痛いということは過度な力がかかっているということで、痛みは適切に根面に器具が当たっているか、や、歯面へのダメージの指標になります。痛みなく除去することが大切です。

私が行う歯科衛生士の歯石除去で麻酔を使用することはほとんどありません。それができるのが歯科用顕微鏡を使うことです。

もう何年も麻酔はしていません。ポケットが4mm以上でも。8mmはキツイけど、6mmぐらいなら麻酔無しでいけますよくまあ寝られるなぁ〜と思うぐらい、リラックスしている方も多くいます。

麻酔してとるというのは痛みがあるからですが、 痛みがでないようにコントロールすれば痛みはありません

・歯石を取る前に正しいブラッシングで事前に歯肉の炎症を抑える

・歯石を取る時に、器具を歯肉に当てない。痛いのは歯肉が器具によって損傷している(切れる)からです。

・歯石を取る時に、器具を歯に当てすぎない。痛いのは歯に不必要に器具が当たっているからです。

よく、歯科用顕微鏡を使っているという衛生士さんがいますが、本当に使えているのか疑問です。チェックだけ使うならそれは宝の持ち腐れです。

顕微鏡で器具先を見ながら、歯石に確実に当たっているかを確認して歯石を除去していけば痛みがでることはありません。ほとんどの方は術野は見ていると思いますが、チップの先は見ていません

実際には見えていないというのが正しいです。水がでるからです水や血液、歯周ポケットから湧いて出てくる歯肉溝滲出液を排除する必要がありますが、それはアシスタントがいないと難しい。

痛みのない確実な歯石の除去のためには、歯科用顕微鏡が必要であり、アシスタントが必要になります。

つい、余計なお世話なのですが、患者さんに、騙されたと思ってクリーニングを受けたらどうですかって言っちゃいました

まあ、患者さんがクリーニングを受けるかどうかはご本人次第。
後はご本人の価値観次第ですからね...私は情報提供しただけで。。。

さて、また1週間がはじまりますね。3月もはじまりました。春を待ち望んで。
今日も頑張りましょう