オフィスの清潔さと安全に特化した顕微鏡診療のお約束と証

【東京歯科医療安全・感染制御研究会】
医療の質は安全に比例いたします。

【東京歯科脳神経内分泌栄養咬合摂食嚥下口腔リハビリテーション研究会】

こんにちは歯科用顕微鏡@歯科衛生士naomiです 

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昨日、ご縁がありまして子宮頸がんのお話を聞く機会がありました。

国立がん研究センターの最新がん統計によれば、子宮頸がん死亡者数は年間約3000人と言われています。
男性の死亡数1位肺がんの死亡者数が年間5万3千人、2位の胃がんが約3万人、女性の1位大腸がんが2万3千人、2位の肺がんが約2万1千人ですから、割合で見れば死亡者数の少ない疾患と言えます。

でも3000人て...%では少なく思えるけど、決して侮れない数字だと思います

子宮頸がんの発症にはHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が関与していると言われており、1度でも性交渉の経験がある全ての女性に子宮頸がんのリスクがあると言われています。

この子宮頸がんの原因となるHPVの感染を防ぐのが子宮頸がんワクチンです。

日本ではワクチン接種後の副作用の報告により、現在は 厚生労働省の平成25年6月14日付け「ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種の対応について(勧告)」により「国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきではないとされたところである。」とされています。

それを受けて、例えば、自治体では江東区のHPと見てみると

区ではHPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)予防接種の積極的な勧奨を中止しています。と書かれており、チラシには「現在、子宮頸がん予防ワクチンの接種を積極的にはお勧めしていません。接種に当たっては、有効性とリスクを理解した上で受けてください。」とこんなに大きく書かれています。

面白いですよね、厚労省は「勧奨すべきではない」と書いて入るのに、区では「勧奨を中止」と書いています。言葉遊びが物凄い感激

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その結果HPVワクチンの接種率は(看護roo 昨日の講師宮城悦子先生のコーナーより)低率となっています。
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そして、これは大阪大学の2016年6月29日に発表された論文です。
“Outcomes for girls without HPV vaccination in Japan”
子宮頸がん予防ワクチンの接種勧奨一時中止の継続に伴う、HPV感染の生まれ年度による格差

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この結果は、子宮頸がんワクチン摂取率が低率になった2000年以降の女子が20歳を迎える2020年問題。 急激に子宮頸がんのリスクとなるHVPウイルス感染者の報告が増加するのではないかと危惧されています。 結果的に将来子宮頸がんが増える(予防接種以前の死亡率に戻る)という事になります。

ただこれは個人のHPV感染、子宮頸がんのリスクが上昇するというだけでなく、集団感染という意味合いにおいても、感染者が社会に増えるという事はそれだけ疾患の蔓延の原因となるという事ですから、個人の感染者が増えるという事は社会全体として感染症の広がりも危惧されます。

ちなみに世界を見ると、例えばオーストラリアではワクチンを含めた予防政策がうまく行き、2028年には子宮頸がんは撲滅されると言われています。

オーストラリアにおける子宮頸がん撲滅までの予測期間:モデリング研究

ふと私は不思議な疑問が湧きました。

なぜ日本では、ワクチン名が「子宮頸がんワクチン」なのでしょうか
ちなみに、HPV感染予防は子宮頸がんの予防と女性を守る的な観点だけで日本では語られますが、世界では、HPVワクチンは男女問わず両方に接種しています。  

HPV-Associated Cancers(HPV関連がん)の予防という観点です。

CDCではHVPに関連する6つのがんを紹介しています。

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HPV can cause cancers of the:  Cervix, vagina, and vulva in women Penisexternal in men Anusexternal and back of the throat, including the base of the tongue and tonsils (oropharynx), in both women and men

性交渉つまり男女お互いの行為で感染するのに、なぜか日本では女性の病気である「子宮頸がんワクチン」って変じゃありませんか男性は感染源じゃないって事

そして驚くべき数字は、CDCの表の男性のback of the throat、咽頭がんの数字の大きさです。
女性の子宮頸がんの数字と同じぐらい、アメリカではHPVによる咽頭がんの発症率が多いのです。

なぜゆえ日本では女性だけがこのHPVワクチンを推奨されるのか?

そもそもその積極的接種推奨中止も問題ですが、ワクチン導入の経緯がなんだか変

まあアメリカで男性が特異的に咽頭がんが多いってところは、お国柄の性癖とかそういう問題もあるのかも知れませんけどね。データは事実ですけど、読み方によって真実は随分異なります。

 アメリカでは咽頭がんを含むオーラルキャンサーがとても問題で、それを一番に発見するのは歯科職なので、がんの発見者としても歯科医師、歯科衛生士は頼りにされています。

たまにはアウェーな研修会にも出て見るものですね。

facebookにも書きましたけど、私は歯科衛生士とは「お口を通して患者さんの心と体の健康を守るプロフェッショナル」であると思っており、歯科のチェアサイドで子宮頸がんの話をしたって良いと思っています。

メインテナンスの世間話の1つに子宮頸がんのお話でもいかがでしょうか

私はこの場でワクチンの賛成や反対を論じたい訳ではなく、まずは考える種を蒔ければと思っています。

政治、経済、この世の中はいくら良い事でも一筋縄ではいかない事がたくさんあります。
人に流され情報操作されることは、この現代社会においては日常茶飯事。知らないうちに操られている事もあります。
だからこそ、自分の意見をしっかりと持つ、一度振り返って考えてみる。そんな事が大切なのだと思います。

それでは皆様、今週も元気に参りましょう