オフィスの清潔さと安全に特化した顕微鏡診療のお約束と証

【東京歯科医療安全・感染制御研究会】
医療の質は安全に比例いたします。

【東京歯科脳神経内分泌栄養咬合摂食嚥下口腔リハビリテーション研究会】
歯科用顕微鏡@歯科衛生士naomiです ^ ^

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歯科では、ハンドピースの滅菌が幾度も取り上げられます。

歯科は滅菌していないと目の敵のようにマスコミに騒がれますが、その結果、ハンドピースさえ滅菌していれば良いという風潮が蔓延し、メーカーやディーラーが儲かるだけで、歯科医療の感染管理の推進は全く進んでいません。それどころか、その分の経費を私たちが負担しなければならず過剰診療が危惧されます。(歯科では感染管理に見合った保険点数はついていません。今回点数の改定がありましたがそれでも十分とは言えません。)

私は、一人の科学者、歯科衛生士として、きちんとした歯科における感染制御を考えたい。
そういう思いで、今このシリーズを書いています。
(ちなみに当医院では患者さんに使用する全ての器具、器材を滅菌し、滅菌保証しています。滅菌できないものはディスポ。使用した器具の滅菌保証は全てブログで公開しています。)

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このスライドは、平成29年12月2日の第13回 首都圏滅菌管理研究会で発表したものです。

首都圏滅菌管理研究会発表


ここからご覧になられた方は、過去の記事もご覧ください。
第1回 歯科器材の洗浄・滅菌 その1
第2回 歯科用ハンドピースの洗浄・滅菌は何に従って行うか?
第3回 歯科用ハンドピースを洗浄・滅菌するためのガイドライン 
第4回 歯科用ハンドピースの洗浄・滅菌に関する通達(後半)
第5回 歯科用ハンドピースの洗浄・滅菌に関して問い合わせ結果
第6回 歯科用ハンドピースの洗浄・滅菌のメーカー検証について

今回からご覧になった方は、上記の第1回から6回までをご覧下さい

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第6回目までの復習ですが、歯科用ハンドピースの取り扱いについて厚生労働省はガイドラインに従うようにとの事でしたが、ガイドラインを確認したところ、明確なエビデンスはありませんでした。

通達の後半には添付文書で指定された使用方法を遵守するようにとの記載もありましたので、添付文書を作成している各メーカーにパブリックコメントを求めましたが、結果、添付文書に記載があってもハンドピースの洗浄、滅菌に関して内部洗浄試験や内部滅菌検証試験が行われていないことがあるという事がわかりました。 

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つまり私たち現場の医療従事者は、エビデンスがないのに歯科用ハンドピースの滅菌をするように強要され(ハンドピースの滅菌にかかる費用は現場の持ち出しです)指示された方法に従うも本当に洗浄・滅菌できているかメーカーで確認されておらず、しかしながらその責任は現場の私達がとるというなんとも理不尽な状況です。私は誰かを責めたいのではなく、この現状を多くの人に知ってもらい、歯科医療が正しい方向に修正される事を望みます。

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さて7回目の今日はハンドピースのサックバック防止機構についての考察です。

これは歯科医療従事者でさえもが問題だ と言いますが本当に問題なのでしょうか?

サックバックに関して問い

問1.
サックバック防止機構は何のためについているのですか?感染予防のため、または機械の故障を防ぐためですか。その他の理由があれば教えて下さい。
サックバック防止機構は何のためG社回答1

サックバック防止機構は何のためG社回答2

サックバック防止機構は何のためMO社回答
サックバック防止機構は何のためKA社回答
サックバック防止機構は何のためD・S社社回答
問2.
サックバック防止機構の有無で滅菌方法に違いはありますか?

洗浄滅菌方法に違いはあるかG社回答
洗浄滅菌方法に違いはあるかMO社回答
洗浄滅菌方法に違いはあるかKA社回答
洗浄滅菌方法に違いはあるかD・S社回答
問3.
サックバック機構の有無と患者の感染リスクに違いはありますか?

サックバック機構の有無と患者の感染リスクの違いG社回答
感染リスクの違いMO社回答感染リスクの違いKA社回答
感染リスクの違いD・S社
まとめ
サックバックまとめ1
各メーカーの回答をまとめますとサックバック防止機構とはハンドピースが回転を停止した時に陰圧が生じ、口腔内の唾液や血液など、汚染物がハンドピース内部に吸引されるのを防ぐ機構のこと。

ここできちんと、整理しないといけないことがあります。

それは、吸引された汚染物がどこまで広がるか?を理解しないといけません。

ある論文では、この汚染はハンドピースを越えて、配管を介してユニット内部を汚染するためハンドピースを滅菌するだけでは不十分であると結論づけています。

前回の発表時には、あまりにも皆様の関心がハンドピースの滅菌と、サックバックの有無に集中している感がありましたので、感染の広がりまでは触れませんでした。

そもそも、海外のユニットでは、ユニット自体にサックバック防止機構がついていると聞いています。

ふと。日本のユニットはどうなっているのだろうか?

歯科での感染制御を理解してもらうためには、段階的な戦略が必要です。

サックバックで、汚染がハンドピース内部、またはそれ以上広がるにしても、それによって、感染するのかしないのか?が重要です。

次が本丸です。ハンドピースの使い回しによる感染について。
ハンドピースが原因で感染が起きた事例を次回は考察していきます。

学びの種を頂いて、その原理原則をきちんと守り、自ら考えていかなければならない。

一流選手とは、1%のひらめきと99%の努力なのだと、オリンピックシーズンの今季、どなたかがおっしゃっていました。

1%のひらめきは、99%いえそれ以上の努力がないとひらめきはおこらないのだと思います。

自身に言い聞かせて。

今週も頑張ります