第30回日本環境感染学会が終了しました。

2015-02-21-16-07-06


あっと言う間の2日間をすごし、いつもの日常と違う興奮と、情報がたくさん過ぎて消化不良な感は否めませんが、また東京に戻ってお腹いっぱいな事に甘んじることなく、アウトプットしたいと思います。

2015-02-21-16-54-06


今回学んだこと

サーベイランスについて
・流行性疾患(麻疹、風疹、ムンプス、水痘)の免疫獲得
・職業感染対策
・歯科医療における感染予防

米国バージニア大学のJanine Jager教授のアメリカにおける職業感染対策の歴史が大変興味深かったです。
みなさまはエピネット(EPINet)をご存知でしょうか?Janine Jager教授はエピネットの開発者です。(日本語版EPINetはこちら)

EPINet(Exposure Prevention Information Network)は針刺し・切創などの血液・体液曝露を記録し追究する標準的な方法を提供するために1991年によって開発されました。今では世界95ヶ国以上で使われています。この報告をもとに大規模なサーベイランスをする事が可能です。

今回歯科の部門のワークショップもありましたが、まだまだ医科と比べるとお粗末な内容でした。

そんな中で感染制御講座で歯科のコマを担当されていた田口正博先生のご講演がありました。

ある先生が質疑応答の中で、某歯科医療部会のガイドラインをもっと世に広めてもらえればこの業界がもっとよくなるとおっしゃった折、田口先生は「ガイドラインは日本歯科医学会からすでにでています。やる気があればガイドラインでご自分できると思います。」と一蹴。

なぜか歯科では医科のようにまとまりがなく、自分たちの所属団体でそれぞれにガイドラインを作り出すんですよね...組織力がお粗末といいますか、自分たちの既得権益が強いといいますか...だいたい、2003年にCDCから歯科のガイドラインはとっくに出ているのに、それに準じて診療している先生はほとんど皆無。そしてお決まりの自分たちに都合の良いガイドライン作り。

いつも文頭には、「歯科は医科と違って特殊なので。」「歯科では現実的に難しいので。」
最初からやる気なし。歯科は診療報酬が少ないから患者さんの安全を削って診療しても良いという意味のわからない理論。医科だって同じだけど、理想を勝ち取るために国に働きかけしたりしてるのに。歯科の先生はできないとか愚痴ばっかり。すごく違和感を感じる。

さて。歯科の事はおいておいて...

今回の学会は30回目だそうで、30回という一世代が巡った学会の次なる前進を展望するべく、いかに感染制御の概念を広く普及させ、それを担う人の層を厚くするかが目標として掲げられていました。

次世代を担う…私も年をとったのか、次世代に何かを伝えなくてはという気持ちがフツフツと湧く今日この頃です。

誰かが伝えなければ、歯科のこの分野での発展はありません。その誰かを人任せにしてきましたが、もう時間的猶予が、私には残っていない。

人が一人前になるのに10年育てるとすると、私も恐ろしいことながら、50歳になります。

タイムリミットが迫ってきています。

歯科衛生士には無限の可能性がある‼︎
この業界人はとかくお金の話しや、自分たちの自慢話しかしない…

私は若い人たちに夢と情熱を伝えてこの業界を去りたいと思います。

あ…まだ、ご隠居話しは早いですね(笑)