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歯科用顕微鏡@歯科衛生士naomiです 初めてブログにお越しの方はこちらをご覧下さい。→歯科疾患の予防の重要性(ブログはおちゃめ(*゚∀゚)ですがHPは真面目です(`・д・´)

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今日は左上7番の遠心の症例を書きます。

よく、肉眼も拡大鏡も、顕微鏡も変わらないっていう歯科医師の先生や歯科衛生士さんがいらっしゃいますが。これが本当に肉眼と変わらないのか、私には疑問です。

どう見ても、顕微鏡でしか見えない世界があります。でも、残念ながら、それは顕微鏡があるだけでは見えない世界であり、顕微鏡があり更に顕微鏡を使いこなせて見えてくる世界であります。

SRP1

左上の一番奥の歯の奥側ですから、まず肉眼で見るのは不可能でしょうでは拡大鏡では?拡大鏡では見えたとしても光量が足りませんライト付きじゃない拡大鏡は論外。暗すぎます。

拡大すればするほど、光量が不足します。はっきりこの一番奥の歯の奥が見えるのは、顕微鏡だけです。

SRP2

超音波スケーラーで大きな歯石を弾き飛ばし...まあこの程度なら、肉眼の処置と変わらないでしょう。肉眼でも感でこのぐらいは取れます。

BlogPaint

ではこれはどうでしょう?ポケットの中。歯肉の線に沿ってうっすらと黒い線があるのがおわかり頂けるでしょうか?これ、歯肉縁下歯石です。
SRP4
 
除去後です。フィニッシュ。左上7番、つまり一番奥の歯の、奥側の、歯肉の中の、歯と歯肉の付着部分。歯と歯肉の付着部分をどう理解するかと言うと、指の先を想像して下さい

爪の部分が歯の部分。指の肉の部分が歯肉だとします。爪と指の肉の間、つまり深爪すると痛くなる部分です。その爪と指のくっついているところが歯周ポケットの底、つまり底部です。

一番奥の歯のポケット底部は肉眼や、拡大鏡では絶対見えない。この倍率では。 

処置が終了した後、アシスタントのYuさんが言いました。
「なんか今日の処置、手術みたいでしたね... 」

私。「そうだよ〜私はいつもそう思ってるよぉ

正直、この歯石を除去できるのは、日本でも、いや世界でも限られています。
もしこの歯石が取れるとすれば、まず顕微鏡があること、しかも鏡筒の可動域の広い顕微鏡であること。

次にアシスタントがいること。術者はミラーと器具を持つので水を吸ったり、曇った鏡に空気をかけたりできません。視野がはっきりしなければこの処置は不可能

そして最後は術者の知識と腕...と気合

特に道具の選択がかなり重要です。なぜならこの場所は通常の器具が入らないし、超音波スケーラーだけでは除去できない。ハンドスケーリングの技術を持ち、ハンドスケーラーの形態を熟知していなければ適した器具を選択できない。

この歯石を除去には7種類の道具を使いこなして除去しています。

今時ハンドスケーラーなんて使わないなんていう衛生士さんもいますけど、ハンドスケーラーが使えない衛生士さんが超音波を使っても、確実な歯石の除去はできません。だって細かいところに超音波の器具だけでは器具先が当たらないもの。

当たっている、除去できていると思っているなら、それは歯石が見えてないと思います。

今日の処置はF難度。

話の最後にアシスタントのYuさんが言いました。

「naomiさんの処置を受けている人は幸せですね

さてどうかな。幸せかどうかは患者様が決めることです。私は私の処置を受けたいとおっしゃって来院してくださる患者様の期待に応えるべく...あ〜応えようとも思ってないかな本音を言えばまあプロとして自分との闘いです。

歯石の付着に気がついて、取れないとすれば、それは患者様の役に立てない無力感に苛まれます。それが嫌ならたとえそれがF難度の処置でもやるしかない。そしてやるからには納得いくまで、つまり治癒につながるところまでの処置を確実に行う。それしか道はない。

だからこの道は険しく、その責任とプレッシャーで心労がたたる...とてもじゃないけどたくさんの患者さんを見ることはできない。そう、1回1回がオペレーションと同じ。半端な気持ちじゃやってられません。

さて。次回はインプラントのことを書きたいと思いますインプラントの周囲は天然歯とは違います。だからこそ気をつけなければいけないことがあります。そしてその特性を理解しなければ。

インプラント周囲炎を治すことばかりに目が向いている世界ですが...
(ヨーロッパではエアフローを使用して治癒させるとか言ってますけど。私的にはいかがなものかと思っています。今のところ。一時的な炎症を起こしてその回復力を利用してよくなっているように見えるだけではないかと。骨の再生はどうなのでしょうね?)

インプラント周囲炎は起こるべくして起こっているのです。そのメカニズムを理解していないと。

では次回もお楽しみに明日もがんばっぺ。