naomiブログをご覧の皆様、こんばんは歯科用顕微鏡@歯科衛生士naomiです
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歯科医師の先生向けの歯のクリーニング及び一般の方向けの歯のクリーニングのみのご受付を承っております。詳しくはお電話でお問い合わせ下さい。ご希望の衛生士がいる場合はお電話にてその旨もお伝え下さい。
平成15年の調査によると日本における歯科定期検診の受診率は20%。定期検診で歯周病の検査をしている所はわずか14.4%だそうです。当医院の定期健診(メインテナンス)では虫歯及び歯周病のチェックは必須です。
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今日は歯周病と糖尿病について書いてみたいと思います。
皆様は歯周病の事をどのくらいご存知でしょうか?
最近では「歯周病は細菌による感染症だ」と言う事が周知の事実となりましたが、今からおよそ50年前は歯周病の原因はまだ不明でした。
1965年Dr.Loeはプラークの付着により実験的に歯肉炎を起こし、またプラークを除去することにより炎症がなくなることを示しました。プラークが歯周病の直接の原因であることを証明したのです。これを非特異的プラーク仮説と言います。
当時はまだどの細菌によるものかはわかっていませんでした。
1988年Dr.Socranskyらは歯肉縁下プラークのMicrobial complexという概念を発表しました。red complexとしてPorphyromonas gingivalis,Tannerella forsythia,Treponema denticola, 独立系としてAggregatibacter actinomycetemcomitansを最も組織破壊に関与する歯周病原性細菌として示しました。これを特異的プラーク仮説と呼びます。
この頃から歯周病の原因菌が特定され始めました。 現在では歯周病は複数の細菌による感染症である事がわかっています。
また更に最近では遺伝子レベルでの研究も行われています。
最近興味深いトピックスとしてはPorphyromonas gingivalisがもつgingipainsが私の中では興味深いです。
歯周病は人間(宿主)の免疫防御機能と細菌(寄生体)の相互作用によって発症します。
歯周病細菌の毒素(LPS)や組織破壊酵素にマクロファージを始めとする生体の防御細胞が反応してサイトカイン(IL-1β IL-6 TNF-α)や生理活性物質(PGE2)が産生されます。その結果、歯槽骨が破壊されたり歯周組織の破壊が起こります。
今日のテーマは歯周病と糖尿病ですが、どのように歯周病と糖尿病が関連しているのかを見ていきます。
図の向かって右の枠内が歯周病。左が糖尿病の反応です。高血糖状態が続くと体内でAGEsが産生されます。マクロファージや血管内皮細胞にはAGEs受容体(RAGE)があるため血管細胞に直接作用したり受容体を介してサイトカインの上昇に影響します。
また歯周病の炎症反応で産生されたTNF-αは血糖値を下げるインスリンの働きを妨げます。
さて最初に話を戻しますが、1965年Dr.Loe先生がおっしゃっています。
プラークコントロールこそが歯周治療では最も重要な処置法であり、プラークコントロールなくして治療はありえない。
これは平成17年の歯科疾患実態調査のデーターです。日本人の歯磨きの回数です。平成17年のデーターでみると、50%の人が1日2回、ないしは3回磨いている事になります。
こんなに歯磨きしているのに...どうして日本人の歯周病の有病率は下がらないのでしょうか?
それは歯周病におけるプラークコントロールは自分だけでは限界があるという事ではないでしょうか?裏を返せば大切なのは定期的に専門家のプラークコントロールを受ける事では?
私達が日々の診療で拝見していても100%歯磨きできている人はほとんどいません。
(少しでもプラークが残っていれば歯肉炎が起こります。炎症が起きているポケット内面はただれており、細菌が入りやすい状態です。)
そういうことではないでしょうか?
いかに患者様と私達歯科衛生士が協力して患者様のプラークコントロールをしていくか。二人三脚です。
イリタニオフィスの歯のクリーニングでは歯科用顕微鏡を用いて全てのポケット内のプラークを 60分以上かけて確認します。歯は親知らずを覗いて28本あります。単純に計算すれば1つの歯に2分以上の時間をかけてプラークを除去、綺麗になった状態で初めて虫歯のチェックができます。1mm足らずの虫歯を見つけるためには歯面を本当に綺麗にしなければ見えません。
歯周ポケットからは歯肉溝滲出液が泉のように湧いています。また歯周病に罹患したポケットからは出血もあります。歯肉溝滲出液は生体を防御するための物ですが、これらが私達の歯石の確認を妨げます。確実なポケット内の確認のため当医院では歯科衛生士にアシスタントが必ずつきます。唾液や血液を確実に除去し術者が確実に患者様の歯を確認するためです。
また感染管理を徹底的に行うため歯科衛生士のクリーニングルームは完全個室となっております。
糖尿病の治療を放置した場合、一生涯にかかる医療費は5〜6千万だそうです。一軒家が買えます
全てが関係するわけではありませんが、歯周病をコントロールする事によって糖尿病の状態にも影響を与え少しでも医療費の削減ができれば、それは患者様だけではなく国の利益となるのではないでしょうか。
結果を出してこそ歯科衛生士。
明日も頑張ります
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平成15年の調査によると日本における歯科定期検診の受診率は20%。定期検診で歯周病の検査をしている所はわずか14.4%だそうです。当医院の定期健診(メインテナンス)では虫歯及び歯周病のチェックは必須です。
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今日は歯周病と糖尿病について書いてみたいと思います。
皆様は歯周病の事をどのくらいご存知でしょうか?
最近では「歯周病は細菌による感染症だ」と言う事が周知の事実となりましたが、今からおよそ50年前は歯周病の原因はまだ不明でした。
1965年Dr.Loeはプラークの付着により実験的に歯肉炎を起こし、またプラークを除去することにより炎症がなくなることを示しました。プラークが歯周病の直接の原因であることを証明したのです。これを非特異的プラーク仮説と言います。
当時はまだどの細菌によるものかはわかっていませんでした。
1988年Dr.Socranskyらは歯肉縁下プラークのMicrobial complexという概念を発表しました。red complexとしてPorphyromonas gingivalis,Tannerella forsythia,Treponema denticola, 独立系としてAggregatibacter actinomycetemcomitansを最も組織破壊に関与する歯周病原性細菌として示しました。これを特異的プラーク仮説と呼びます。
この頃から歯周病の原因菌が特定され始めました。 現在では歯周病は複数の細菌による感染症である事がわかっています。
また更に最近では遺伝子レベルでの研究も行われています。
最近興味深いトピックスとしてはPorphyromonas gingivalisがもつgingipainsが私の中では興味深いです。
歯周病は人間(宿主)の免疫防御機能と細菌(寄生体)の相互作用によって発症します。
歯周病細菌の毒素(LPS)や組織破壊酵素にマクロファージを始めとする生体の防御細胞が反応してサイトカイン(IL-1β IL-6 TNF-α)や生理活性物質(PGE2)が産生されます。その結果、歯槽骨が破壊されたり歯周組織の破壊が起こります。
今日のテーマは歯周病と糖尿病ですが、どのように歯周病と糖尿病が関連しているのかを見ていきます。
図の向かって右の枠内が歯周病。左が糖尿病の反応です。高血糖状態が続くと体内でAGEsが産生されます。マクロファージや血管内皮細胞にはAGEs受容体(RAGE)があるため血管細胞に直接作用したり受容体を介してサイトカインの上昇に影響します。
また歯周病の炎症反応で産生されたTNF-αは血糖値を下げるインスリンの働きを妨げます。
さて最初に話を戻しますが、1965年Dr.Loe先生がおっしゃっています。
プラークコントロールこそが歯周治療では最も重要な処置法であり、プラークコントロールなくして治療はありえない。
これは平成17年の歯科疾患実態調査のデーターです。日本人の歯磨きの回数です。平成17年のデーターでみると、50%の人が1日2回、ないしは3回磨いている事になります。
こんなに歯磨きしているのに...どうして日本人の歯周病の有病率は下がらないのでしょうか?
それは歯周病におけるプラークコントロールは自分だけでは限界があるという事ではないでしょうか?裏を返せば大切なのは定期的に専門家のプラークコントロールを受ける事では?
私達が日々の診療で拝見していても100%歯磨きできている人はほとんどいません。
(少しでもプラークが残っていれば歯肉炎が起こります。炎症が起きているポケット内面はただれており、細菌が入りやすい状態です。)
そういうことではないでしょうか?
いかに患者様と私達歯科衛生士が協力して患者様のプラークコントロールをしていくか。二人三脚です。
イリタニオフィスの歯のクリーニングでは歯科用顕微鏡を用いて全てのポケット内のプラークを 60分以上かけて確認します。歯は親知らずを覗いて28本あります。単純に計算すれば1つの歯に2分以上の時間をかけてプラークを除去、綺麗になった状態で初めて虫歯のチェックができます。1mm足らずの虫歯を見つけるためには歯面を本当に綺麗にしなければ見えません。
歯周ポケットからは歯肉溝滲出液が泉のように湧いています。また歯周病に罹患したポケットからは出血もあります。歯肉溝滲出液は生体を防御するための物ですが、これらが私達の歯石の確認を妨げます。確実なポケット内の確認のため当医院では歯科衛生士にアシスタントが必ずつきます。唾液や血液を確実に除去し術者が確実に患者様の歯を確認するためです。
また感染管理を徹底的に行うため歯科衛生士のクリーニングルームは完全個室となっております。
糖尿病の治療を放置した場合、一生涯にかかる医療費は5〜6千万だそうです。一軒家が買えます
全てが関係するわけではありませんが、歯周病をコントロールする事によって糖尿病の状態にも影響を与え少しでも医療費の削減ができれば、それは患者様だけではなく国の利益となるのではないでしょうか。
結果を出してこそ歯科衛生士。
明日も頑張ります
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